小説より奇妙な現実をより面白く。ある傍観者の備忘録

  1. 老害
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日本の未来は明るいって老人が言うな

最近、日本は景気も少し回復して明るい兆しが見えてきているような気がする。街中に出かけても人々の笑顔が眩しいぐらいだし、人生をもっと楽しめるように社会が少し楽になってきているのだ。

経済をみると、日本には技術もあるし、文化もあるし、まだまだ安泰だな。とニュースではまだまだ捨てたもんじゃないという論調が多い。

ちょっと待てよ。これって、バブル後に見られた計画性も戦略もない安心感と同じじゃないか?昔、金持ちだったんだから、待っていたらまた本来の場所に戻るよ的な根拠のない自信だけじゃないのか?

今、既に人生の残り時間が少ない老人はこのようなロマンチシズムに浸っていても良いかもしれない。が、あと、40年も60年も生きないといけない世代は果たしてこんな甘ったるい幻想に浸っていて良いのだろうか。

病院のほとんどが赤字で、自己負担分をさらに増やさなければ破綻間近の健康保険。今ですら75歳まで生きて初めて受給できるであろう年金。

そして、技術的にも横ばいで世界に取り残されつつある状態。まだまだ分野によってはリードがあるものの、日本の家電や半導体が最強だなんて言っていた奴らが今度は日本はまだまだ技術的優位を維持できると言っていてもどこに説得力があるのだろうか。

所詮、老人が言っている日本の未来が明るいなんていうのは、物凄い近い将来のことを指しているに過ぎない。正直、今後5年の話なんてどうでも良い。その先はどうなっていくのか。我々が老人になる頃にはどうなっているのか。先の長い我々は、老人の言うちょっと先の明るさの更なる先を見て不安を抱いているのである。

テレビで中国に和牛が盗まれたらゲームオーバーというニュースがやっていた。コストの高い日本以外で同じものができるようになると、日本の畜産農家が成り立たなくなるからである。実は既にオーストラリアには既に盗まれて同じような肉が半額で作れるような状況になっているのに、今更危機的な状況を煽っているのである。

既に遅いのに危機がこれから起きる現象であるとする幻想は、数年間の夢を抱き続けるには便利だ。実際に経済的にどうしようもない時までの時間は、危機を防ぐことに一生懸命頑張るという姿勢を取り続けて忙しくできるからだ。そして、和牛ブームが来るから未来が明るいなんて希望を持ったところで、長期的には日本の畜産農家にはなんの助けにもならないのである。

この和牛の問題と同じように、我々はゲームオーバーの先を生きないといけない。なんとかなるさとか、未来は明るいなんていう言葉ではない現実を生きていかなければならないのだ。

だから老人にはそう軽々しく日本の未来は明るいとは言って欲しくはない。むしろ、今まで良い時代を生きてきた恩返しとしてそろそろ黙って若者のために明るい未来に向けて少しはギブバックしてくれないか。

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