豊洲で行われた初セリでなんとマグロが3.3億円。某スシザンマイの社長が趣味でやっているんだからいいんだけど、それにしても常軌を脱している値段だ。
実はここ20年で3000万円を超えたのは5回。1億円を超えたのは2013年の一回しかない。宣伝効果としては3000万程度までなら十分元は取れるだろうが、中国勢に奪われたくないという意地で1億を超えてしまった2013年は失敗談として語り草で終わるのかと思っていた。
ただ、今日書きたいのはマグロ高いねえというような単純な話ではない。どちらかというと、その高いマグロに対する人々の反応だ。
というのも今回の初マグロ、恐ろしく高い値段だという前置きはありながらも、景気が良くなりそうだねとか、某国に負けずに男気をみたなどの好意的な反応の方が圧倒的に多いのである。社員の給料を低く抑えて無駄遣いするなとか、そんな金があるならもっと社会の役に立つことに使え的な声がほとんどない。
これは、最近のゴーンやJICの役員報酬のドタバタで見られるように個人が高い給料を貰う場合に対する反応とあまりにも違いすぎる。1億円以上貰っている社長は公表されているので、調べてみると3.3億円以上の給料を貰っている社長は64名。マグロ1匹より価値があると見られている社長は日本の上場会社でたった64名しかいないということになる。
マグロは食べてしまえばお腹に入るだけでお仕舞いである。その一方、良い社長がいれば会社の経営を改善して大きな収益を産み出せる。その結果、より多くの社員の生活は保障されるし、その影響も数年間に渡って享受できる。それなのに、今年の初マグロより価値のある社長がたった64名しかいないというのが日本の現状なのだ。
マグロには勿論ある程度の宣伝効果はあるのだろうが、人知れずに会社を良くしてもマグロ程にも認められない社長が多々いるのはあまりにも可哀想すぎる。マグロの3.3億円を見て景気がいいねえ。と言えるのならば、世の中をどんどん良くしてくれる社長にも5億、10億払って、景気やばいね。っていうようになって欲しい。
というより、優秀な人材に給料を払わない結果、美味しいマグロを頬張りつつも景気ずっと良くならないね愚痴をこぼす将来だけは避けたいものだ。
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